おじいちゃん・おばあちゃんからの教育資金援助について、第1回では「必要な都度払う基本ルール」を、第2回では「一括贈与特例の仕組みと終了の背景」を見てきました。
最終回となる今回は、「これからの教育資金の渡し方のベストな選択肢」と、気になる「相続税対策との関わり方」について解説します。どの方法を選べば我が家に一番合っているのか、一緒に整理していきましょう。
教育資金の一括贈与特例が終了した今、私たちが選べる現実的な方法は、主に次の2つに絞られます。それぞれの特徴を知り、ご家庭の状況に合わせて賢く使い分けましょう。
「大学の大きな学費のタイミングでドーンと払ってあげたい」という場合は、請求書に合わせてその都度振り込む「都度払い」が最も確実で安全です。 一方で、「まだ孫が小さいので、将来の教育費や自立資金として今から計画的に渡していきたい」という場合は、毎年110万円の枠を使った「暦年贈与」が活躍します。
教育資金の援助は「相続税の節税」になる?
おじいちゃん・おばあちゃん世代にとって気になるのが、「自分に万が一があったときの相続税」ですよね。
結論から言うと、「必要な都度、その都度払っている教育費や生活費」は、そもそも故人の相続財産に含まれません。 なぜなら、それは「もらった人がその時に消費・使用したお金」であり、残っていないからです。
また、年間110万円の「暦年贈与」を活用して早めに財産を移しておけば、自分が亡くなったときに相続税の課税対象となる財産そのものを減らすことができます。(※亡くなる直前の数年間の贈与は相続財産に持ち戻されるルールがありますが、孫への贈与は基本的にこの持ち戻しの対象外となるケースが多く、生前贈与として非常に有効です)
「元気なうちに、少しずつ、形を変えてお孫さんにバトンタッチしていくこと」自体が、結果として一番確実な相続税対策につながるのです。
トラブルを防ぐための「家族のコミュニケーション」
お金が絡む話だからこそ、円満な家族関係を保つための配慮も大切です。
他の子ども(親世代)や他の孫への公平性 「特定の子だけに多額の援助をしている」と誤解されないよう、誰にいくらサポートしているのか、親御さん(お父さん・お母さん)を交えてオープンに共有しておくことが大切です。
自分の老後資金を最優先に お孫さんへの援助に熱心になるあまり、ご自身の生活費や医療・介護資金が不足してしまっては本末転倒です。「まずは自分たちの安心の暮らしがあってこそ」という大前提を忘れないようにしましょう。
まとめ:笑顔をつなぐ、我が家らしい資金援助の形
全3回にわたり、孫への教育資金援助と税金のしくみについて見てきました。
基本は「必要な都度、直接支払う」スタイルであれば、贈与税の心配はいらない
一括贈与の特例は終了したものの、身の丈に合った「都度払い」や「暦年贈与」で十分に対応できる
鎌倉新書ライフパートナーズ
生前からの計画的なサポートは、結果として大切な相続対策にもなる
おじいちゃん・おばあちゃんからの温かい想いは、形式や税金の損得以上に、お孫さんの未来を明るく照らす最高のプレゼントです。ぜひご家族でよく話し合い、笑顔があふれる素敵なマネープランを描いてみてくださいね。